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なぜ古民家に住みたいのか Why I want to live in Traditional Japanese House

暮らし

私の実家は岡山にあり、城下町のなごりでなまこ壁の残る古い古民家だ。

子供のころは井戸水を飲食にも使用していて
夏に使う水は氷水のようだったのを覚えている。

南向きで日当たりはよいが
冬はすこぶる寒い。

中庭に蔵があり、今は忘れ去られた家具の墓場のようになっている。

それでも古民家はどこかほっとする。

もともと祖父母が住んでいて
足腰が悪くなったころから荒れだし

その後介護で両親が移り住んだので
祖父母の持ち物と物持ちな両親の持ち物で
今はゴミ屋敷のようになっている。

また一度洪水にも見舞われている。
それ以降は井戸水の質が悪くなり使わなくなった。
前述のとおり両親はお金の問題に追われていたのでリノベーションには手が回っていない。

まあでもかろうじて高齢になっても両親は住んではいるけれど。

高校の授業でも古民家の中の空気は汚染物質も少なくて
シックハウス症候群になりにくいというのを聞いて
健康にもいいんだ、と学んだのを覚えていて
いまだに憧れがあるのも一つの理由。

あとは海外に行ってわかったのが
特有の日本人らしさが売りになるという事だ。
外国人の古民家不動産屋まであるのだからよっぽど人気である。

古民家のデメリットとしては
交通の便が悪い 駅が遠い 車がないと移動できないこと。
あと、その地域の仕事の選択肢は限られるということだろうか。
田舎ならば出費がかからないかといえば
それは逆で光熱費から交通費から何かといろいろ高くついたりする。

それでしかもリノベーションもしようとなると
お金持ちでないと厳しい。

高齢になると、家までに坂や階段があったり
家の中にはたくさんの段差があり
転倒骨折が命に関わることも心配しなくてはならない。
あと車がないと生きていけないのに車を運転することができなくもなる。
そして病院が遠い、医療機関が限られる。

そんなことを考えるとメリットとデメリットのバランスを考えて
気が怯むのだが、
やっぱり唯一無二の空間に毎日住むのは
心地が良いものと思う。

そんなことを考えながら、また両親の介護が必要になったら
呼び寄せるのか、帰るのか、また迷い始める。

 

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